薬害根絶デーに参加してきました

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こんにちは!薬剤師のFです。

1996年に「薬害エイズ訴訟」が和解したときに薬害根絶の「誓いの碑」が建てられた日の8月24日が薬害根絶デーとされました。今年も行われたその集会に参加してきました。

午前中はサリドマイド薬害の方の講演を聞き、お昼の碑の前行動から薬害根絶デー集会に参加し、HPVワクチン、新型コロナワクチンの後遺症に苦しんでいる方達の話を聞きました。

サリドマイド薬害については、裁判が終わり和解や補償金の支払いがあり解決したとの認識でいましたが、被害者の方達の生活は続いていて、そこに苦労や社会の理解が不十分なことによる苦しみがあることを知りました。当時ではわからなかった障害や、高齢になるにつれて新たな症状が現れること、そういった症状の治療にも課題があるそうです。世界で一番サリドマイドの被害者が多いドイツでは、再補償という考え方があり、加齢に伴う生活環境の調整だけでなく、物価上昇に対しての補助までもされているそうです。

薬害は単なる副作用の被害だけでなく、危険性を把握してからの国や企業の対策の遅れ(時には隠蔽)によって拡大させてしまった健康被害です。被害者に今現在も不自由な生活を送らせてしまうのは、国や企業の責任を認めた薬害への対応としては不誠実だなと思いました。

HPVワクチンと新型コロナワクチンの後遺症に苦しむ方の話は、ワクチン接種後から続く多様な症状から救ってもらいたいが、十分な理解も補償も行われていない現状に対しての話でした。これまでの薬害のような被害者と国や企業の対立だけでなくワクチン接種の是非を含めた対立も巻き込んでしまい、後遺症に苦しむ方とそうでない方々との対立ができてしまっていると感じました。そうさせているのは、後遺症に苦しむ方に対して正確な認識ができていない方々がいること、患者の声を聞かない一部の医療者の言葉に傷つけられていること、余裕がない医療現場で十分な時間をかけたケアを被害者に実践できていないこと、効果的な治療方法がないことがより対立を複雑にしているのではないかと思います。

薬剤師として未知の副作用に遭遇する可能性があるお薬を渡すからには、患者さんの話に耳を傾け寄り添う姿勢を持ち続けようと思った1日でした。